部下をその気にさせるのが絶妙なリーダーがいる。

ある組織のマネジャーと関わる過程で、パフォーマンスをあげているリーダーYさんの動きについて興味関心を持って観察している。

Yさんは、部下をよく知ろうとしている。知る切り口が実にうまい！　そのうえで、部下の特性を活かしている。部下をその気にさせるのが絶妙なのだ。

このYさん、部下の何を知ろうとしているのか。

目次

• ○  相手のフレームワークを知る
• ○  相手の強みを知る
• ○  自分と相手は違う
• ○  相手を知る。その前に同じ質問をして、自分を知ってみませんか。

相手のフレームワークを知る

仮に部下をAさんとしよう。

Aさんはどんな経験値を持っているのか？
Aさんの仕事観・人生観等々含めて、どんな価値観の人なのか？
Aさんのおかれている環境（職場の立場、家庭内環境）をどの程度把握しているか？
Aさんの物事の捉え方の特徴は？
等々、Aさんを形成しているフレームワークに焦点をあてて接している。

このフレームはAさんが「自分」を形成して枠組みであり、日々物事を考え決断する時に必ず基準にしているものです。
Yさんは、このフレームワークの要素を知ろうとアンテナを立てているのです。

もう一つ，知ろうとしていることがある。

相手の強みを知る

Aさんの強みである。
ここで言う強みとは、資格を持っている強みもありますが、個人の持っている特質と捉えてください。特質とは、Aさん特有の行動特性でもあります。ある状況や環境において、Aさんらしい行動特性が発揮されます。その行動特性を観ています。

実行力の資質が高いのか
影響力を及ぼす資質が高いがあるのか
人間関係構築力の資質が高いのか
戦略的思考力の資質が高いのか

Yさんはこの行動特性を活かして、パフォーマンスをあげつつ部下育成をしています。
人はそれぞれ違います。
その違う状態を変えるのではなく、違いを活かすことを探っているのです。

自分と相手は違う

少し、話は変わります。
「ダイバーシティ」という言葉を知っていますかと問うと、ほぼ９９％は知っていると答えます。女性の職場登用や国籍の異なる人達が構成するチームの生産性向上など、比較的表面に「違い」がわかりやすい要素の積極的活用の度合いとして捉えがちです。

今、ここで向き合って考えたいことは・・・・
職場の身近にいるメンバーについての「違い」です。
自分のチームメンバー、あるいは上司と自分とは、何が違うのか。
「違い」を乗り越えて成果を出していますかと問うと、答えはマチマチです。
容易なことではありません。

チームメンバーの「個」と「個」の関係性の中に存在する「違い」に焦点をあて、「違い」を理解し、「違い」を活かすあり方に妙味があります。

チームメンバーと関わるさまざまマネジャーをサポートする過程で、一緒に探求していきたいことは・・・

リーダー自身が自分をよく知り、自分と合わないパターンを持つ相手だとしても、成功につながる情報を知っておくことや、自分が感情的に違和感を覚えるであろう相手やそのやり方について想定し、対処して向き合っていく関わり方を持っていることが必要なのです。

相手を知る。その前に同じ質問をして、自分を知ってみませんか。

相手（自分）のフレームワークは？
相手（自分）の仕事観・相手（自分）の人生観等々の価値観は？
相手（自分）の強みは？
他に相手（自分）の何を知っているといいか？
相手（自分）の文化的背景・生活背景は？
相手（自分）が、ストレスの高くなる時はどんな時？
相手（自分）が、モチベーションが上がる要素は何か？
相手（自分）が、キャリアビジョンは？

人はそれぞれ「違う」。
「違う」という状態を変えるのではなく、
「違い」を受け入れて、
「違い」を活かし束ねるあり方を、
マネジャーは日々模索しています。

ここに「これだ！」という正解はありません。
だからこそ、自分の中にある考えを整理し、当事者意識をもって向きあいながら、バージョンアップさせていく。
その過程で「1on1コーチング」が機能していきます。

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