持続可能な人材育成を目指す、そのkeywordは「Unlearn」だ。

プロサッカー選手久保建英の所属するリーガエスパニョーラのビジャレアルの育成コーチ、佐伯夕利子氏の著書「教えないスキル」から興味深い話に引き寄せられた。３歳児から育成を手掛けていく過程で生み出されたスキルだ。

持続可能とは、「人」が入れ替わっても、「文化」のかけらが土としてそこに残っていくビジャレアルの「SDGｓ」。自ら工夫しながら学び、生きぬいていく人材を育てていくことを求め続けた集大成の人財育成サスティナブル手法。それが「教えないスキル」。

「Unlearn」は学習の棄却。「学び壊し」と訳されることが多い。「学びほぐし」と訳す人もいるかもしれない。学び壊しにより、自分がこれまで信じてやまなかった、スタンダード、当たり前、常識を根こそぎ覆すところからはじめる。

選手との関わり方での「Unlearn」

「今まで自分が持っている人材育成の知識や価値観は、今の時代では古くなっているかもしれない」というように、批判的に見直すことからはじめる。

「指導」という言葉は存在しない。

「教える」は指導者や上司が主語です。

一方の「学ぶ」は選手や部下が主語です。選手が主体的に考えて工夫し、学習効果を高める環境を用意するのが指導者の役割です。したがって、彼らは教えません。手取り足取り教える代わりに、選手が心地よく学べて、学習効果を高める環境づくりをしています。

学生時代サッカー選手だった私にとっては、こんな考え方、指導法は存在しなかった。

今や、「教え方がうまい」といった指導スキルではなく、選手が学べる環境を創ることこそが育成術の生命線だと考えられるようになってきている。

１・私達大人は、子供を委縮させず、対等な関係性を築いているでしょうか？

２・私達大人は、子供や若者が自分で考える機会を奪っていないでしょうか？

３・私達大人は、子供に心地よく自由に学べる環境を与えているでしょうか？

何年、何十年たっても不偏の「持続可能な人材育成術」の「問い」かもしれません。それが「教えないスキル」。教えずして人を伸ばす根本です。

「アカウンタビリティ」（当事者意識）を高める

場面はビジネスや日常生活シーンに変わります。

ビジネスの世界では、リーダーやコーチは自らのアカウンタビリティを高め続けるとともに、クライアントや部下のアカウンタビリティの状態に気を配り、必要に応じて、相手のアカウンタビリティにはたらきかける必要が出てきている。

選手や部下の性格は変えられません。この状況にアジャストするには、指導者や上司が自分を変え、彼らが成長できる環境を創ること。彼らに自分で考える癖をつけてもらわなくてはいけません。その発想の転換に求められるのが「Unlearn」。

３つの「問い」を意識してみませんか。

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