事前に予測しても予測しきれないことが起こる時がある。

その時、その事実をどう捉えて、どう動くか？

体験から大きな学びをした経験がある。

 

年に一度、年次大会と言う一大イベントが京都であります。

「鍵山掃除道」を通して交流を深めようと全国から大勢京都に来てくださる会に成長しています。

その年、私は掃除実習の実行委員長の役目を担っていました。

 

教育委員会と学校・学校運営協議会等々の理解と参加協力を得て、その年は市内のA中学校が掃除実習の会場として設営されていました。

事前に会場の下見をし、運営に関する事項は運営メンバーと共に周到な準備をして当時に臨みました。

 

が、起こる時には起こるものです。

あろうことか、学校の正門前敷地内に車が乗り捨てられるように駐車されていたのである。

 

学校敷地内に車を誘導できない事態が起こった。

周囲は瞬く間に渋滞と大混雑に陥った。掃除どころではない状態になった。

 

学校側も大慌て。私は怒り心頭で血が上っている。

 

警察も来てくれたのですが、私有地なので駐車違反でレッカー移動できないようだ。

持ち主にも連絡が取れない。

イライラはますばかり。

 

その時に、掃除の参加者の一人が私にささやいてくれた言葉。

「戸田さん、世の中思うようにいかへんからおもしろいんやで！」

「みんなで対応しよう」

 

他府県からの参加者も「そやな」と言って、笑顔で周辺地域、渋滞に巻き込まれている運転手に事情説明しはじめてくれました。

参加者の相当数が事情説明に力を貸してくれる状況にまでなった。

大渋滞をしているのに、パニックにならない。みんな冷静だ。

ひょっとしたら、一番イライラしているのは私かもしれない。

 

そうこうしているうちに車の持ち主がやってきた。

当事者曰く、

飲酒運転で危険だと感じ、学校内の空きスペースに駐車をして帰宅した、と・・。

嫌がらせでもなく、とっさに考えた行動らしい。

後は警察の指導に任せ、年次大会の掃除実習は遅れながらも無事終了。

 

私が学んだこと。

起った事実に対して、その時どう捉えてどう動くか。

「そんなことはあってはならん！！」と正義感で怒り心頭、動転していた私。

「世の中うまくいかないから学びがあって、おもしろい」と即座にポジティブ思考で、

対応した鍵山掃除道の仲間たち。

 

この体験以降、「世の中うまくいかないから、おもしろい」という物事の捉え方ができるようになった。

瞬間に気持ちをリセットし、ゆとりを生み出せるようにもなってきた。

掃除「に」学ぶという価値観があるからこそ、身につけられていく力だ。