パッカー車の運転手の笑顔・・・「はた」を「らく」にする力

 

毎週土曜日の朝は木屋町街頭清掃からはじまります。

街頭掃除の時間は６時～７時まで時間帯なのですが、喫煙場所はすざましい汚さで時間内ではいつも終わらないのだ。飲食店から出てくるダンボールの回収指定場所でもある。

時には、背丈ほどの高さにまでダンボールは捨てられている。パッカー車が回収にきて、一人でダンボールを回収するなると、多い時は７分～１０分程度かかってしまうほどの量である。ダンボールの周りは空き缶・ペットボトル・煙草の吸殻・食べ散らかされた残飯・酔っぱらいゲロ・立小便で発酵された匂い等々、すざましいばかりの汚さと化した場所である。

 

何時のころからか、私は一足早くその場所に出向き、ダンボールを折りたたんで整理することを始めた。メンバーが朝礼を終えてやってくる時間は６時１０分すぎ。そこから始めればダンボールの整理に時間がかかり他の掃除まで手が回らない。

 

ダンボールを折りたたんでまとめておくと、パッカー車に投げ入れる手数が圧倒的に少なくなる。時間も２分程度で済む。思わず、パッカー車のドライバーさんから「ありがとう」と笑顔で言ってくれる。早朝にかわす、笑顔の会話が何ともすがすがしい。

パッカー車の運転手と喫煙場所の掃除メンバーとの絶妙の「あうん」のコミュニケーションだ。やっているものしかわからない絶妙のコミュニケーション。

 

その場に立った時に「どこまでする？」と密かに考えたくなる。

とかく、見たいものだけみて、拾えるものだけ拾う。無意識にそうするだろう。

 

私達のスタンスは「そこまでやるか！」です。

目の前の汚さに向きあって、とことんきれいにする。

逃げ出したくなることもあるが、心の内側と向き合う。

やりつづけていると、「向きあう」という力も養われていくようだ。

 

鍵山掃除道の教え・・「手足を使って人を喜ばす」。「はた」を「らく」にする力だ。