（株）東海神栄電子工業　田中義人会長との話の続きである。きちっと片づけることは、次に使う人が気持ちよく使ってもらえる為の前準備である。これが「思いやる」事のひとつだとわかりはじめた。

 

月例会、掃除大会等で掃除班のリーダーになることがあります。リーダーは前もって決められたトイレで、配属された見知らぬ人たちと共に掃除をし、楽しく学べる場をつくらなければなりません.

そのトイレが、どんなに汚れていても、班の構成メンバーに、どのような人がいようと素直に受入れ、与えられた道具でもって最善をつくすことが、暗黙のルールになっています。

 

そこでメンバーを受けいれて、楽しく学べる為に、初めて出逢った人たちとも人間関係を構築していかなければなりません。

掃除は「人間関係構築力」を高めていく場でもあります。

 

掃除をはじめていくと、現場では様々な問題が起こりはじめます。

 

便器を触るのを嫌がる人、

道具が足らない！とぼやく人

長い期間、丁寧に掃除をしていないので、排水溝の蓋が取れずに水が流れない！とイラつく人等々

 

どうするか？

 

第一に、問題が起きたら、その事実を素直に受け入れる。

第二に、その状況を見て、そこにある条件をフルに活かし、あの手、この手で対応する。

第三に、その時、自分一人で問題解決しょうとしないで、仲間の人たちにも協力を求める。

 

そうすることで、問題をテーマとして考えるようになり、工夫が生まれる。

相手を受け入れる、認める、誉める等々・・なかなか関わり方も難しいものだ。

しかし、やっていくと案外うまくいくものなのです、と田中社長・・・。

うまくいったときの達成感が、そこにいるメンバーの自己効力感を高めていく。

 

当初は、見知らぬ人たちであったとしても、掃除が終わるころには旧知の仲のように笑顔が交わせるほどになります。

 

掃除をする際に誰もが自主的に準備をし、片づけもきちっとする。

きちっと片づけることは、次に使う人が気持ちよく使ってもらえる為の前準備である。

このような考え方、関わり方が「おもいやる」心を育んでいくひとつのプロセスだと理解しはじめた。

 

あたりまえの事を非凡にやり続けていく。

 

トイレ掃除を通して、「場を美しくし、人に喜ばれ、共に縁を深め、自己を成長させるエネルギー」 を育んできた。この意識を風土として醸成していったことが大きいと思う。

 

トイレ掃除は、「よき人間関係づくり」と「思いやる」を学ぶ場です。